相続税申告期限はなぜ?

相続
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親が亡くなり相続が開始すると、様々な事務手続と並行し相続税の申告期限である10ヶ月ということに直面します。巷間、この期限を意識して節税や納税資金の準備ということが喧伝されています。これは決して正しくないとは思っていないのですが、そもそも10ヶ月という制度が、実態や現在に沿っているのかについて皆さんはどう思わているのか興味があります。

 国の制度だから仕方がない!

 10ヶ月は短すぎて伸ばすべき!

といった意見がありそうです。資産が、現金・預金・債券等の流動的な資産がほとんどあればズレは生じないように思います。しかし、資産が不動産等の固定資産に偏っており、その資産評価も相当額に上る場合には、前述の国の制度 と 実際の申告までの感覚(短い)とのズレは相当程度あるように感じています。

 10ヶ月という趣旨がなぜこうなったのか、制度がどのような人を想定して規定しているのかということは後日調査後にお伝えできればと思っていますが、それは後日に譲り、このズレの現場での大変さは、相続に関わる人間は誰しも経験することではないでしょうか。

 不動産を納税資金に使用すると様々な歪みが生じます。相続したい不動産を売る、不動産をそのまま売れず測量や境界の確認が必要になる、コストはかけたくないのに売るためのコストが発生する、普段の生活(仕事)で時間が取られるのに相続のための時間が必要になる、さらには不動産を売却するとその後の譲渡所得で想定していないような大きな所得税・住民税が発生するetc.

 だからこそ、節税や納税資金準備等が喧伝されるのでしょうが、そもそも制度を見直すという選択肢もあっていいような気がしています。私自身は、申告は10ヶ月でも納税は何らかの条件のもとにもう少し伸ばしてもらいたいなぁというのが率直な意見です。

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