昨今の流れで、家賃の値上げというものが話題にのぼります。
日経(令和6年11月9日)でも、賃借人の側において、家賃引き上げの通告が有った場合の対応策などについての記事がありました。
その記事によると、交渉のポイントは、引き上げの理由を確認する、周辺家賃の相場を調べる、条件交渉ができないなどについて説明がありました。
一方、大家の側からみるとどうでしょうか。
賃貸経営にかかる収益は、文字通り家賃のみです。
賃貸経営にかかる費用は、多岐にわたります。
部屋を見れば、入居前にかかる、原状回復に関する費用、入居後の設備費用、不具合があったときの修繕、部屋に付帯するサービス(インターネットその他の費用)、建物全体にかかる、固定資産税、共用部にかかる火災等保険、共用部にかかる水道光熱費、さらには、管理にかかる費用(そうじ、植栽の管理その他)などであり、管理会社が入っている場合にはその管理費用などもかかります。
つまり家賃6万円の部屋があったとすると、2年間入ってもらったとしても、修繕等や設備費用、修繕などの費用には、数万円から数十万円の幅でかかることが多く、建物全体の収益としてみると、下手すればとんとん、状況によっては赤字ということもあるのではないでしょうか。
一時代前には、大家ぼろ儲けみたいな印象があり、大家が強者と言われている時代がありました。しかし、現在はどうでしょうか。税務署や法律の見方はそうなのかもしれません。しかしながら、上記のような収支をみたときに、多くの物件がどれだけ収益を上げられているのでしょうか?生活費に充てている大家さん等ではその収入にどれだけ家賃収入を充てられているのでしょうか。投資物件としてもっているような大家さんでは、他に収入がありその補充的なものと捉えれている人は多少でも収益がでればいいとういことになるでしょうが、地主大家さんは収支で赤字でないとしても、全体としてみれば家賃収入から生活費まで考えたときには結構大変なのではないでしょうか?
そのようななかで、建物に係る材料費、燃料費、職人さん等の費用などが軒並み上昇しているなかで、収益を圧迫しているという事情があり、家賃の値上げのお願いをしている大家さんも多いのではないでしょうか。
大家さんは賃貸物件を辞めた際にも、建物の取り壊しの費用も諸々かさみますし、建物を建築したときにローンを負担しているような場合には、どれだけ利益を上げられているのかが非常に疑問な状況です。
そのようななかでの家賃値上げの検討です。賃借人の方側から見ていると見えない大家の実情がわかるのではないでしょうか。
このような大家さんに対して思いやる姿勢があるのか、その点の相談は、どこに行けばいいのでしょうか。
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